「さりげなくそこにある美しい家を」とのご要望を受けて計画した、酒津公園の桜並木の土手に寄り添う平屋の住まいです。
大らかな風土の中にありながら古くからあった屋敷群がひとつずつ姿を消し、細分化した更地に新築住宅が増え続ける周辺環境。そこに建つ一軒の新しい家は、どのような振るまいであるのが良いか。
風土に根ざした素材、控えめな屋根の高さや勾配の組み合わせ、深い軒、窓からもれる温かい灯り、家を包む垣根のない小さな庭が家と周辺を結び、心豊かな交流のきっかけとなるよう願いを込めて。
そこにある一軒の家の振るまいが、街の再生を呼び掛け、地域の暮らしを豊かに変え、地域に愛される存在となる。そのような理想の想いを込めた計画です。
酒津の家