瀬戸内海の潮風が心地よく吹き上げる丘の突端の眺望の地に建つ当家は、藍問屋、酒造業、製塩業等、児島エリアを特徴づける産業を代々担ってきました。
その屋敷地に建つ明治期築の内蔵を「倉敷市まちづくり基金」も活用しつつ、地域に開かれた文化サロンとして整備。保有する地域資料や、こだわりの音響機器、おいしいコーヒーが、サロンを訪れる人々を心地よくもてなす空間をしつらえました。

2階中央に設けた吹抜けを取り囲む回廊は、親子連れも利用しやすい座敷席と瀬戸内海の景観を望むハイカウンター席とし、ギャラリーやコンサートの会場として活用可能にしました。
今回の再生事業によって、これまで知られていなかった良好な住環境が一般に公開されることで、児島の魅力と、多様性を担う新しいスポットの誕生となりました。

遠く高松の市街地まで見渡すことのできる2階席の窓からは、西日が島影を美しく照らし、船舶ライトの航跡が尾を引く黄昏時には、刻々と移り変わる幻想的な一時を楽しむことができます。

児島 地域交流サロン 蔵の再生

施設名
caffe antico sion
所在地
倉敷市児島下の町
竣工
2016年
延床面積
71.07㎡
設計
仁科建築設計事務所
施工
トモエテック
建築工事
建築工房 高橋

LPレコード棚のあるカウンター席には、LPレコードプレーヤーや真空管アンプのある音響卓が組み込まれている

柿落しコンサート幕間の1階風景。宮内庁御用達にもなっているという、特別仕様のヤマハ製アンティークのアップライトピアノが配され、高貴な音色が間近で楽しめる

【Before】