瀬戸内海の潮風が心地よく吹き上げる丘の突端の眺望の地に建つ当家は、藍問屋、酒造業、製塩業等、児島エリアを特徴づける産業を代々担ってきました。
その屋敷地に建つ明治期築の内蔵を「倉敷市まちづくり基金」も活用しつつ、地域に開かれた文化サロンとして整備。保有する地域資料や、こだわりの音響機器、おいしいコーヒーが、サロンを訪れる人々を心地よくもてなす空間をしつらえました。
2階中央に設けた吹抜けを取り囲む回廊は、親子連れも利用しやすい座敷席と瀬戸内海の景観を望むハイカウンター席とし、ギャラリーやコンサートの会場として活用可能にしました。
今回の再生事業によって、これまで知られていなかった良好な住環境が一般に公開されることで、児島の魅力と、多様性を担う新しいスポットの誕生となりました。
遠く高松の市街地まで見渡すことのできる2階席の窓からは、西日が島影を美しく照らし、船舶ライトの航跡が尾を引く黄昏時には、刻々と移り変わる幻想的な一時を楽しむことができます。
児島 地域交流サロン 蔵の再生