転勤族として日本各地の借家を住み継いできたご夫婦からの依頼です。
終の住処に倉敷の地を選び、念願の持ち家となる自邸には、司書として各地の図書館活動に携わってきた奥様の長年の夢である「絵本屋さん」を計画しました。
住宅街の角地という立地から、窓からの灯りが住宅街の帰宅路を明るく照らすランタンのような役割を果たす八角形屋根の家形が自然と導かれました。
周囲の住宅群と比較して、ひときわ低く控えめな建物の高さは、絵本を扱う施設として子どものスケール感に配慮したもので、総二階建て、屋根裏を有効に使い切った空間は、コストパフォーマンスを最大限発揮させるためのものでもあります。
店舗の入口は、倉敷駅や近隣の大型商業施設からのアプローチとなる南東に配置。住宅の玄関は、円滑な近所付き合いを誘発するように、街区の近隣住宅の玄関が集まる北西に配置しました。
地域の住環境を愛する建物のふるまいが、地域に愛されるお店を育んでくれますようにと願いを込めて。